
先日、古いCDケースから出てきたブッシュ(Bush)の「Sixteen Stone」というアルバム。
昔、お気に入りだったアルバムです。
累計1000万枚以上の売上を誇るイギリスの大御所バンド、ブッシュ。1994年リリースのこのアルバムは、アメリカだけで600万枚のセールスを記録し、1996年ビルボードの年間アルバムチャート11位にランクインしました。彼らは当時主流だったポスト・グランジ(Post Grunge)やオルタナティブ(Alternative)というジャンルに属し、その中でも群をぬいて人気のあったバンドでした。商業的な音楽から一線を画した反体制的でメロディーも歌詞も型にはまらない、早く言えばよく分からない音楽性が私にヒットしたのです。
今回ご紹介する《グリセリン(Glycerine)》もその「良く分からない歌」の代表格で、恋愛について歌っているのに何でいきなりグリセリンがでてくるんだ?!と悩み続けました。ボーカルのギャヴィン・ロスデイル(Gavin Rossdale)が当時付き合っていた彼女ジャスミン・ルイス(Jasmine Lewis)との終わった恋を歌っているのですが、その後、結婚したノー・ダウト(No Doubt)のグウェン・ステファニ(Gewn Stefani)とライブで2人で歌ったりと、随分あっけらかんとしてるな~、と思ったものです。そのグウェンとも離婚していますが。
最近、ボーカルのギャヴィンのインタビューを見つけ、何年か越しにその謎が解けました。
In ‘Glycerine,’ it’s a cynical world. ‘Strawberry Fields‘ is a Beatles reference because when people think of that song it makes them happy: it elevates you and it lifts you up. For me, it’s like a soft pillow. Most of my lyrics and most of the songs that I’ve written are about rising up against struggle and what you do within problems like the human condition. How we can screw up and how we can make up for it and what we can escape from and what we can win. the song was about how love was like a bomb.
グリセリンは皮肉な世界なんだ。ストロベリーフィールドはビートルズファンにとって彼らを幸せにしてくれる聖地のようなものだ。俺にとっては柔らかい枕のようなものさ。俺の作る歌詞や音楽は困難や問題から立ち上がる姿をテーマにしたものが多いんだ。どんな風に崩れてやり直し、何から逃げ出し、何に勝利しようとするか。この曲は、爆弾にもなりうる恋愛を歌ったんだ
それで爆弾の原料でもあるグリセリンなんだ…、と。
《Glycerine》 Bush
Must be your skin that I’m sinking in
Must be for real ‘cause now I can feel
And I didn’t mind
It’s not my kind
It’s not my time to wonder why
俺が身体を沈めている肌はお前のものだろう
嘘じゃない
俺がそう感じているんだ
俺のタイプじゃないとか
なぜかなんて考えてる場合じゃないなんて
そんなのどうでも良かったんだ
Everything’s gone white
And everything’s grey
Now you’re here now you’re away
I don’t want this
Remember that
I’ll never forget where you’re at
Don’t let the days go by
全てが白く
灰色だ
今お前はここにいるのに
遠くにいるようだ
こんなはずじゃなかった
思い出してくれ
お前のいる場所を絶対忘れたりしない
時の流れに身を任せちゃだめだ
Glycerin
グリセリン
I’m never alone
I’m alone all the time
Are you at one
Or do you lie
We live in a wheel
Where everyone steals
But when we rise it’s like strawberry fields
If I treated you bad
You bruise my face
Couldn’t love you more
You got a beautiful taste
俺は決して一人じゃない
でもいつも一人でいるようだ
お前も同じかい?
それとも嘘をついてるのか?
輪廻のような人生
誰もがうまくやっている
まるでストロベリーフィールドで目覚めるような感覚だ
もし俺がお前をひどくあしらったら
お前は俺の顔に痣ができるまで殴るだろう
あれ以上お前を愛することができなかった
お前が俺より遥かに良いセンスを持ってるから
Don’t let the days go by
Could have been easier on you
I couldn’t change though I wanted to
Should I have been easier by three
Our old friend fear and you and me
時の流れに身を任せちゃだめだ
お前にもっと優しくできたはずなのに
俺は変わりたかったのに
長く俺たちを悩ませた不安という名の友と
お前と俺
3人ならうまくやれたはずなのに
Glycerin
グリセリン
Don’t let the days go by…
Bad moon white again
Bad moon white again
And she falls around me
I needed you more
You wanted us less
I could not kiss just regress
It might just be
Clear simple and plain
That’s just fine
That’s just one of my names
Don’t let the days go by
Could’ve been easier on you, you, you
時の流れに身を任せちゃだめだ
白く不吉な月がまた昇る
白く不吉な月がまた昇る
俺のそばで眠る彼女
もっと一緒にいたかったけど
お前はそうではなかったんだ
後戻りのキスはできない
シンプルで簡単ならいいのに
それでいいんだ
それが俺なんだ
お前にもっと優しくできたはずなのに
時の流れに身を任せちゃだめだ
Glycerine
グリセリン
・strawberry fields:ストロベリーフィールドはビートルズの歌《ストロベリー・フィールズ・フォーエバー》に登場する孤児院であり、ニューヨーク・セントラルパークにあるジョンレノンの記念碑の名でもある。
・be easy on someone=~に優しくする