りんごを使ったイディオム

りんごを使ったイディオム

りんごapple)は、西洋では昔から人々の生活に深く親しまれている果物です。特に人気のある果物の一つで、そのまま丸かじりしたり、アップルパイにしたり、紅茶に入れて楽しんだり、家庭ごとに伝統的なレシピがあるそうです。古くは、旧約聖書にも登場するアダムが食べたとされる「禁断の果実」もりんごだったとも言われています(諸説ありますが…)。

appleを使ったイディオムもたくさんあります。古くから親しまれている果物だからこそかもしれませんね。「お!こいつは面白いな」とネイティヴがうなるような会話のスパイスとして使える、代表的なappleを使ったイディオムを紹介します。

polish the apple    りんごを磨いとけ?

polish the appleりんごを磨く)は、ごまをするご機嫌とりをする、というアメリカのイディオムです。ある小学生が教師に気にいられようとりんごをつやつやに磨いて贈った、ということに由来しています。ごまをする人apple-polisher といいます。

Mr. Horita is polishing the apple as usual.
堀田さんてばまたごますりしてるよ

rotten apple    腐ったみかんじゃないの?

rotten apple腐ったりんご)は、善良なグループに悪影響を及ぼすような人をさすイディオムです。「お前は腐ったみかんじゃない!」とどこかの先生の決め台詞のようですね。bad apple でも通じます。

・Ken is real rotten apple in this team.
健はこのチームの腐ったみかんだ。

compare apples to oranges    りんごとみかんを比べるてどうするの?

compare apples to orangesりんごとみかんを比べる)は、アメリカで用いられるイディオムです。比較の対象にならないものを比べる、という意味で用いられます。例えば、水と油のように全く違う性質のものを比べても仕方がない時などに使われます。

A: Which should I buy, Ferrari or mountain bike? Tell me what you think.
B: It’s like comparing apples and oranges.
A: フェラーリにしようかマウンテンバイクにしようか悩んでるんだ。どう思う?
B: そんなの決められないよ

compare apples to apples りんごとりんごを比べてみなよ

一方、compare apples to apples(りんごとりんごを比べる)というイディオムもあります。上記の比較とは正反対の、同条件や性質のものを比べなければ、違うもの同士を比較しても意味がない、という意味です。

・You can’t compare premium service to entry level service. You have to compare apples to apples.
プレミアムサービスと普通のサービスを比べても意味がないよ。同じものを比べないと。

Adam’s apple    アダムのりんご?

Adam’s appleアダムのりんご)とは男性の喉仏。旧約聖書においてアダムが「禁断の果実」を食べた時、欠片がつかえ喉仏として残った、という伝説からそう呼ばれています。

・Yoshi has a large Adam’s apple.
ヨシの喉仏は大きい。

the apple of someone’s eye    誰かの目の中のりんご?

誰かの目の中のりんごって何?って思いますよね。大切なもの、可愛くてしかたない人、お気に入りの子、を意味するイディオムです。子供や孫について語る時に用いられますが、恋人に対して用いてもOKです。日本語の「目に入れても痛くない」の英語的表現です。

the apple of someone’s eyeは聖書に出てくる古い表現で、この apple はりんごそのものではなく、「」(目の中心の黒い部分)を指します。瞳の形が丸いりんごのような形に見えるということに由来し、(eye) にとって(apple)は必要不可欠なもので、転じて「なくてはならないもの」を指すようになったと言われています。

・My granddaughter is the apple of my eye.
目に入れても痛くないほど孫娘が可愛くて仕方ないんだ。

the apple never falls far from the tree    りんごは木から離れた所に落ちない?

the apple never falls far from the treeは、直訳すると「りんごは木から離れた所に落ちない」という意味ですが、転じて「子供が親とかけ離れることはない」つまりは「りんごの子はりんご」という諺で使われます。日本語風に訳すると「蛙の子は蛙」です。

A: My son is not good at singing.
B: The apple never falls far from the tree.

A: 俺の息子って歌が下手なんだ
B: 蛙の子は蛙だね

as American as apple pie    アップルパイのようにアメリカ?

アメリカ人はみんな大好きと言われるほど人気のアップルパイ(apple pie)。アメリカを代表するデザートの一つです。各家庭にレシピがあるとも言われ、おふくろの味といった感じです。アップルパイを使ったイディオムもあります。

アップルパイのように「極めてアメリカ的な」という時にas American as apple pieを使います。最近、以下のようなニュースのヘッドラインを見かけました。

・Trump’s immigration plan is as American as apple pie.
トランプの移民政策まさしくアメリカ的な考え方だね。

in apple pie order    アップルパイの順番?!

その昔、東海岸に住む主婦の多くがアップルパイを作る際、りんごを均等な厚さに切ってきれいにパイ皿に並べる習慣があったことから、きっちり整っている様子を表すイディオムとしてin apple pie orderが使われるようになったと言われています。

A: How is preparation for tomorrow’s presentation going?
B: Everything’s in apple pie order.

A: 明日のプレゼンの準備はどうだい?
B: 完璧よ!

apple of discord    内輪揉めのりんご?!

apple of discordは争いの火種という意味で使われるイディオムです。

ギリシャ神話の一幕で、ペレウスとテティスの婚礼の席にたった一人招かれなかった争いの女神エリスは怒りに狂い宴会の席にのりこみ「いちばん美しい女神に与える」といい黄金のリンゴを投げた。それを巡って3人の女神ヘラ、アフロディーテ、アテナが争ったが、パリスがそのりんごをアフロディーテに渡したことからトロイア戦争が起きたと記されています。

・Mr. Shinozuka could be the apple of dicord.
篠塚さんは争いの火種になりかねないね。

love apple    愛のりんご?!

love appleとはトマトの古い呼び名です。トマトは、17世紀ごろ中南米からヨーロッパ各地に持ち込まれたと言われいます。りんごに似た珍しい赤い実は人と人を結ぶ愛の実とされlove appleと呼ばれ珍重されたそうです。


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