先日、ダミアーノ・ダヴィド(Damiano David)のライブに参戦したのですが、想像を遥かに超える素晴らしいライブで余韻が冷めないので、特にお気に入りの楽曲をいくつか紹介します。
2025年5月にリリースされたダミアーノ・ダヴィド初のソロアルバム『Funny Little Fears』に収録された「ファーストタイム(The First Time)」は、彼の繊細でパーソナルな一面が際立つラブソングです。曲のテーマは、“人生で最も輝いた瞬間は、君と出会ったあの時だった”というまっすぐな想い。世界中を旅しても満たされなかった孤独や虚無感――そんな過去を背景に、心を震わせるような出会いがもたらした初めての高揚感を描いています。爽やかに疾走するメロディーとともに、抑えきれない感情の昂ぶりが曲全体に広がり、聴く者の胸を強く打ちます。
イタリア発ロックバンド、マネスキン(Måneskin)のカリスマ的フロントマンとして知られる彼が、ソロとして放つこの楽曲は、“愛に出会う瞬間の奇跡”をリアルに切り取った、まさに新章の幕開けを告げる1曲です。

ダミアーノ・デヴィッドってどんな歌手?
99年生まれ、伊ローマ出身のシンガー/ソングライター。学生時代に出会ったメンバーたちと2016年にマネスキンを結成、ヴォーカルを担当。2017年デビュー。2022年の『ユーロビジョン・ソング・コンテスト(Eurovision Song Contest)』にて優勝し、世界的にブレイクする。2024年に“Silverlines”でソロデビュー。2025年5月に、恐怖をテーマにしたファースト・アルバム『FUNNY little FEARS』をリリース。

Damiano David – The First Time
I thought my heart had felt it all
I swam for miles across the ocean
ever met the shore
My eyes were closed, my highs were lows
Just gettin′ drunk on pills and potions
Cravin’ something more
全てを知り尽くしたと思ってた
海を何マイルも泳いだけど
岸にはたどり着けなかった
何も見えていなかった
喜びだと思っていたものは実は空っぽだったんだ
薬と快楽に酔いながら
本当の何かを追い求めてた
Traveled the world but it got me nowhere
Nothing could ever compare
世界中を旅しても どこにも辿り着けず
あの感覚に比べられるものはなかった
A kiss, a touch, a song that made me cry
And all the drugs I′ve done, they never got me higher
Than the first time we met
There’s nothing like the first time we met
I crashed my car, oh, baby, I was flyin’
And I talked to God, He couldn′t get me higher
Than the first time we met
There′s nothing like the first time, the first time we met
キス、触れた手、涙を誘うあの歌
どんなドラッグも、どんなに手を伸ばしても、ときめかなかった
――初めて君に出会ったあの瞬間ほどには
あれに勝るものはない
車をぶつけても、俺は飛んで流みたいな気分だった
神と話しても、あの高揚には届かなかった
初めて君に出会ったときほどの
あの一瞬に勝るものはもうーないんだ
That night, the stars aligned, Heaven dropped a line
Before you, I was just a flare in the sky
A kid too afraid to go to play in the light
A colorless painter, a man with no sight
Before you, I was nothin’, was nothin′
Had nothin’, I only had
あの夜、運命がぴったり重なって
運命のサインに導かれたんだ
君に出会う前の俺は ただ孤独に漂っていた
光の中に踏み出すこともできないガキだった
生きてはいるけれど何も
感じ取れなくて何も見えなくなっていた
君に出会うまでは何も持たず
何も感じられなかった
A kiss, a touch, a song that made me cry
And all the drugs I′ve done, they never got me higher
Than the first time we met
There’s nothing like the first time we met
I crashed my car, oh, baby, I was flyin′
And I talked to God, He couldn’t get me higher
Than the first time we met
There’s nothing like the first time, the first time we met
キス、触れた手、涙を誘うあの歌
どんなドラッグも、どんなに手を伸ばしても、ときめかなかった
――初めて君に出会ったあの瞬間ほどには
あれに勝るものはない
車をぶつけても、俺は飛んで流みたいな気分だった
神と話しても、あの高揚には届かなかった
初めて君に出会ったときほどの
あの一瞬に勝るものはもうーないんだ
You set the room on fire
You take the angels higher
I heard a thousand choirs
Oh, baby, you ain′t seen nothing yet
君の存在がこの部屋を光で満たしたんだ
君は天使すら酔わせてしまう
世界が祝福の歌を奏でるようだった
ベイビー、これから二人の物語が始まるんだよ
Traveled the world, it got me nowhere
Nothing could ever compare
世界中を旅しても どこにも辿り着けず
あの感覚に比べられるものはなかった
A kiss, a touch, a song that made me cry
The drugs I′ve done, they never got me higher
Than the first time we met
There’s nothing like the first time we met
And when I crashed my car, oh, baby, I was flyin′
And I talked to God, He couldn’t get me higher
Than the first time we met
There′s nothing like the first time, the first time we met
キス、触れた手、涙を誘うあの歌
どんなドラッグも、どんなに手を伸ばしても、ときめかなかった
――初めて君に出会ったあの瞬間ほどには
あれに勝るものはない
車をぶつけても、俺は飛んで流みたいな気分だった
神と話しても、あの高揚には届かなかった
初めて君に出会ったときほどの
あの一瞬に勝るものはもうーないんだ
The first time we met
The first time we met
There’s nothing like the first time, the first time we met
初めて君に出会ったときほどの
初めて君に出会ったときほどの
あの一瞬に勝るものはもうーないんだ

| 単語・イディオム | 意味・解説 |
| feel it all | 全てを知り尽くす この歌詞での it all はセットで使われる表現。 すべてを経験する、ありとあらゆる感情を感じる、という意味。このitは特定の痛みや喜びなどを指しているわけではなく、人生で感じるあらゆる感情や出来事を包括的に指す。 I thought my heart had felt it allは、俺の心はもう感じるものはすべて感じてきたと思っていた、というニュアンスに。 |
| across the ocean | 海を超える |
| shore | 岸 |
| high | 幸せ、興奮、上昇気分 |
| low | 落ち込み、虚無、悲しみ |
| get drunk on | ~に酔っている、~に夢中になっている |
| pill | 特に向精神薬・鎮痛剤などの薬。痛みや現実を麻痺させる象徴 |
| potion | 魔法の薬、秘薬。魅惑・幻想や偽りの癒しを象徴 |
| cravin’ | cravingの省略形 (口語表現)〜を強く欲している、渇望している |
| it gets someone nowhere | それは(人)をどこにも連れて行かなかい (慣用句)徒労に終わる |
| nothing could ever compare | (何も)比べものにならない |
| the stars aligned | (慣用句)運命がぴったり重なる、奇跡的なタイミングが訪れる |
| Heaven dropped a line | (直訳)天がひと筋の線を落とした (詩的意訳)流れ星、啓示、運命のサイン |
| Heaven | 神 (詩的意訳)運命、宇宙の意志などの象徴 |
| flare | 一瞬輝く光、信号弾、閃光 (詩的意訳)短く燃えてすぐ消える存在 |
| just a flare in the sky | (直訳)意味もなく輝いては消える小さな光 (詩的意訳)目的もなく孤独に漂っていた自分 |
| colorless painter | (直訳)色のない画家、表現はしているけれど心の色を失った画家 (詩的意訳)生きてはいるけれど何も感じ取れない、創造の空虚さ、感情の麻痺、自己喪失 |
| man with no sight | (直訳)視力を持たない男、見るべきものを見失った人 (詩的意訳)愛も美しさも見えなくなっている自分 |
| set on fire | 〜に火を付ける、〜を燃やす、〜に放火する |
| you set the room on fire | (直訳)君はこの部屋を炎で包む (詩的意訳)情熱・生命力・存在感で空間を一瞬で変えてしまう、君が現れた瞬間世界が燃え上がって空気が一変した、君の存在がこの部屋を光で満たした |
| take one higher | 〜をさらに高くに連れていく |
| you take the angels higher | (直訳)君は天使たちをさらに高みに連れていく (詩的意訳)神聖さを超える美しさや感動、を表現。take me higherではなくtake the angels higherとすることで、君は人間の理解を超えた存在、天すら動かす存在、君の輝きは天をも超える、君は天使すら酔わせてしまう、の意味に |
| choirs | 聖歌隊 |
| I hear a thousand choirs | (直訳)幾千もの聖歌隊の声が聞こえる (詩的意訳)天国が祝福するほどの感動、爆発的な感情の高揚を象徴。君に出会った瞬間、世界中が歓喜で歌い出したように感じた、世界が祝福の歌を奏でた |
| You ain′t seen nothing yet | (直訳)君はまだ何も見ていない (慣用句)これからが本番だ、まだすべてを見せていない、まだ始まりにすぎない。転じて、これから二人の物語が始まる、今感じている愛や熱情はまだ序章にすぎない、という勢いのある未来への宣言を意味する。 |
| ain’t | am not、is not、are not、has not、have notの短縮形として使われる英語のスラング。口語的でカジュアルな表現であり、ビジネスやフォーマルな場面では不適切 |




